ecboでカスタマーサクセスを担当しているShuzoです!
前回の記事では、ecboのCSチームが使用しているツール、Intercomの機能の概要について説明しました。
【基本編】Intercom徹底解説!荷物預かりサービスecbo cloakを支えるカスタマーサポート/サクセスツール #ecboの裏側
Intercomには、コアな機能としてArticles, Platform, Messages, Inboxがありますが、今回はその中の機能の一つ、Articlesについて詳しく解説します。
Articlesとは?
Articlesは一般的に言う、「よくある質問(FAQ)」の役割を果たす機能です。
Intercomに月額49ドル課金することによって、利用できるようになります。正直、Intercomを利用するにあたりここに課金しないのであれば、Intercomを使わない方がいい、というほどArticlesはIntercomにおいて中心的な役割を果たしています。記事数や利用頻度に関係なく、固定で49ドルなので、使えば使うほどコスパの良い機能です。
まずは、簡単にArticlesの特徴を説明します。
Intercom他機能との連携
これがやはり一番のメリット。Articlesで書いた記事はIntercom内で様々な用途で使用することができます。FAQは通常、単に用意されているページを見てもらうだけの受け身の体制になってしまいがちですが、Articlesの場合、こちらから見てもらいたい記事へ積極的に誘導することができます。
フォーマットが統一されている
Articlesには便利なフォーマットが用意されており、タイトル・サブタイトルの設定はもちろん、太字・斜体・ヘッダー・段落・ハイパーリンクなども簡単に設定することができます。また、画像や動画も追加でき、ボタンやコードのスニペットも挿入可能なので、テキストのみの説明よりも分かりやすいFAQを用意できます。
MarkdownやCSSなどの知識がなくとも、整った記事を簡単に作成できます。
誰が書いたかが分かる
各記事に、その記事の作者を設定する必要があります。名前が表記されることにより、記事を書く側の評価に繋がる上、透明性を保つことができます。特定の分野に関する記事は、その分野のスペシャリストが書くことも可能です。また、ユーザーからしても、機械的な文章よりも、実際に運営チームの人間が書いた記事であることが表に見えることによって、サービスをより身近に感じてもらい、安心感に繋がると思います。
Articlesを最大限活用してもらうためにしていること
ecboのCSは“事前予防”を重視しています。そのため、クオリティの高いFAQの用意は不可欠です。
ecbo cloakでは日中英の3言語で、現在合わせて170以上のArticles記事を用意しており、様々な状況に対応できるよう体制を整えています。
しかし、記事を増やし、FAQを充実させるほど、実際に探している質問が埋もれてしまうというジレンマが生じることも少なくありません。ユーザーがFAQを探すことをやめ、直接問い合わせをしてしまっては本末転倒です。
内容を充実させながら、ユーザーに最適な質問と回答を見つけてもらうために、ecbo cloakの場合は以下の3つの機能を駆使しています。
・検索機能
探している記事のキーワードを入力すると、該当するArticles記事が検索結果として表示されます。ユーザーにとって便利な機能なのはもちろん、CSチーム側としても、入力されているキーワードを知ることができるので、ユーザーが何を知りたがっているのかを把握するためにも非常に有効な機能です。
・記事ごとのURL共有機能
FAQとして用意したArticles記事は、各記事ごとに独立したURLが作られます。例えば時期的に多くなる問い合わせに関する記事を、Inbox内やその他ユーザーの目に入りやすい位置に置くことにより、まず一読してもらうことができます。
ecboの場合、キャンペーン中はプロモコード/クーポン関連の記事、連休中は店頭対応についての記事など、時期によって紹介する記事を取捨選択しています(詳細は別記事にて)。
・自動サジェスト機能
ユーザーからの問い合わせ内容を読み取り、それにふさわしいArticles記事を自動的にサジェストするBot機能があります。また対応において、CSチームがユーザーに手動でArticles記事を紹介すればするほど、サジェストする記事を勝手に学習してくれる優れものです。
Articlesの分析方法
様々な記事を用意した後も、その使用頻度等を分析し、改善していく必要があります。読まれている記事はさらに分かりやすくアップデートをしていき、読まれていない記事はその理由の分析が必要です。
Intercomには、作成したArticlesの分析方法が複数用意されています。
まず、一つの方法として検索ワードを参考にできます。
ユーザーがどのような記事を探しているのかを把握することができ、キーワード検索をした際に、関連する記事がないキーワードリストも出てくるので、それらを参考に新たな記事を書くこともできます。
例えば、上記は真冬の時期に撮ったスクリーンショット。ユーザーが検索しても関連記事がヒットしなかったキーワードのリストです。
ウィンタースポーツの季節なので、スノーボードを預けられるかどうか関心があったことが分かります。これを参考に、「大きな荷物も預けられますか?」の記事内に「スノーボード」というワードを追記しています。
ユーザーの関心に合わせてより正確に該当記事がヒットするよう、記事内のテキストを日々アップデートしています。
二つ目の方法として、各記事のPV数も参考にできます。PV数の多いArticles記事は、ユーザーの関心度も高いため、記事のクオリティを上げ、疑問が必ず解決するよう内容を充実させる必要があります。
問い合わせの特に多い質問に関する記事や関心度の高い記事は、上の方に表示させるなど、FAQに表示する順番も変えることができます。
三つ目の方法としては、記事に対するユーザーの評価も参考にできます。
ユーザーは記事が役に立ったかを3段階で評価することができます。反応次第で記事内容をブラッシュアップするきっかけにもなりますが、問い合わせ内容の回答の捉え方によって評価が変わってくることもあるので、あくまで参考程度に見ています。
Help Centerについて
作成したArticles記事は「Help Center」というページにも掲載できます。このHelp Centerを使用すれば、一からウェブページを作成する必要なく、テンプレートから簡単に独立したFAQページを作ることができます。
FAQのデザインも凝りたい、という方には少し物足りないかもしれませんが、最速でシンプルなFAQを作ってしまいたい、という方には非常におすすめな機能です。Articlesに課金していれば、こちらの機能は無料で利用できます。
ご興味のある方は、ecbo cloakのHelp Centerも実際にご覧ください!
マイナスポイント
Intercom全体にも言えることですが、まだまだ日本語対応が追いついていないようです。
Articlesの自動サジェスト機能も現在は英語しか対応しておらず、インターフェイスに関しても、少々無理やり日本語を入れ込んだと思える箇所もいくつかあります。
また、Help Centerについては、誰でも簡単に作成できることがメリットではあるものの、カスタマイズできる箇所は限られています。自社のサービスサイトがおしゃれでも、Help Centerに飛ぶと、見た目の部分のギャップがあるのは否めません。
それ以外に、各Articles記事のURLをカスタム設定できないことも、地味ですが不便に感じることの一つです。
次回記事に向けて
CSに不可欠なFAQを、簡単かつリソースをかけない形で実現させてくれるのがIntercomのArticles機能です。
次回の記事では、Intercomの2つ目の機能、Platform機能について詳しくご紹介したいと思います。
ご質問などございましたら、いつでもオフィスに遊びにいらしてください。または私宛のメッセンジャーにお気軽にご連絡ください!