ecboでカスタマーサクセスを担当しているShuzoです!
前回の記事では、ecboのCSチームが使用しているツール「Intercom」の、Articles機能について詳しく説明させていただきました。
【機能編①:Articles】Intercom徹底解説!荷物預かりサービスecbo cloakを支えるカスタマーサポート/サクセスツール #ecboの裏側
Intercomには、コアな機能としてArticles, Platform, Messages, Inboxがありますが、今回はその中の2つ目の機能、Platformsについて詳しく解説します。
Platformsとは?
Platformsとは、サービスを利用しているユーザーをIntercom上で管理するためのツールです。サイト訪問者を記録・管理することができ、ユーザーデータの蓄積が可能です。ユーザーの流入経路、行動パターンの分析から、UI/UX改善等に活用できます。
ここで、簡単にPlatformsの特徴を説明します。
Intercom他機能との連携
Platformsを見ることにより、そのユーザーとのInboxでの会話履歴を一瞬で照合したり、過去にどのようなArticlesを閲覧したかなどを確認することができます。その逆も可能で、例えばArticlesの画面から、ある記事を閲覧したユーザーがどのようなユーザーなのか、Platformsに移動して確認することが可能です。
顧客データの見える化
サービスに登録したユーザーの情報を、スプレッドシートのような画面で簡単に把握できます。
メールアドレスなどの基礎情報はもちろん、サービスに初めて登録した日時、最終ログイン時間、サイトへのアクセス数、最後に閲覧したページなど、あらゆる情報を把握しサポートに活用できます。
ユーザーにカスタムタグを追加し分類することもできるなど、カスタマイズ機能も豊富です。
フィルター機能
ユーザーに紐づいている情報から、特定のユーザー層だけを検索するフィルター機能があります。
「Segments」というカスタムのグループも作成でき、ユーザーが登録した際に特定の条件が揃うと、自動的にそのグループに振り分けられる機能も備わっています。
フィルター機能を使えば、例えばモバイルユーザーがどのくらいいるか、どの地域からのユーザーが多いのかもわかります。
下記の画像は、Platformsを利用し、ある特定の条件を指定した時の分布マップです。このように、条件別の分布図を可視化することもできます。
Platformsの活用例
Platformsで集まったデータは、ecboでは下記のように活用しています。
・新規キャンペーン対象者の選定
新規キャンペーンの対象者を選定する際は、Platformsのフィルター機能を活用します。
例えば、新規登録をした外国人ユーザーだけを選定したい場合は、7日以内にサービスに登録したユーザーで、かつ日本語以外のブラウザを利用しているユーザーをフィルタリングし選定します。
・ユーザー区別
Platformsにはユーザーのエンゲージメント記録が保存されます。たとえユーザー訪問の期間が空いたとしても、一瞬でどのユーザーからの問い合わせか把握ができます。過去の会話履歴なども残されているので、誰がどのように対応したかなど、過去のケースを参考にし、すぐに適切な対応をすることが可能です。
タグ機能を活用し、「VIP」「特殊ケース」のようなタグを各ユーザーにつけることもできます。
・トラブルシューティングの際の参考
例えばユーザーがサービスの操作に戸惑っていたとします。Platformの情報から、ユーザーが使用している端末情報やブラウザ情報、最後に見たページURLなどを参考にし、それらを踏まえた上で的確な対応をすることが可能です。ユーザー・CS側ともに余分なやりとりを減らし、スムーズで迅速な対応に繋げられます。
・ダイレクトメールの作成
Intercomから直接ユーザーに向けてメッセージを送ることも可能です。Intercom内のメッセージ、もしくはメールを介してメッセージを送ることができます。
Intercomに登録したCSスタッフには、Intercom専用のEmailアドレスが発行されるので、会社メールと混ざることなく運用できます。一つの受信ボックスにまとめたい場合は転送設定を!
表示名についてー User, Lead, Visitor
Platformsを利用しているとよく見るのが、上のようなランダムなユーザー名です。
Intercomでは、まだユーザーIDやメールアドレスが割り振られていないユーザーは「色x物x場所」の名前がランダムで設定され、各ユーザーを区別できる仕様になっています。
さらに、サイトに訪問するユーザーは、3つのカテゴリーに区別されます。
Visitor
サービスログイン履歴がなく、過去にIntercomを利用した履歴がないユーザー。
Lead
VisitorステータスのユーザーがIntercomで問い合わせをして会話をしたり、問い合わせにあたりメールアドレス等を記入した場合は、Leadに変わります。
User
Intercomを設置しているサービス自体に登録し、ユーザーがログインしている状態になると、Userに変わります。この時、ユニークなUser IDが発行されます。
このように、Platformsが自動的にユーザーステータスを選別してくれるので、キャンペーンや施策を、ユーザーの登録段階に分けて仕掛けることができます。
また、上記で説明したSegmentsを利用して、あらかじめ設定した条件に当てはまるユーザーをさらに振り分けることも可能です。次回の記事で詳しく解説予定の「Messages」機能で非常に重宝する機能です。
本来IntercomはBtoBサービスのサポートを意識したツールなので、サービスに興味を持った初回訪問者(Visitor)を、サービス購入を検討してくれるクライアントになってもらえるようサポートし(Lead)、登録・購入をしてくれた顧客(User)のアフターケアやフォローアップを手厚くできるように作られています。
「New」「Slipping Away」というステータスもありますが、これらも獲得したLeadにいかに早くアプローチし(New)、撮り逃さないように(Slipping Away)あらかじめIntercomが用意してくれているステータスです。
ecbo cloakでは荷物預かりサービスを利用するユーザーと、荷物預かり場所を提供するオーナー、双方の顧客が存在するため、Intercomで有効に使える機能がたくさんあります。
マイナスポイント
あくまでもIntercomを活用するためのデータが保存されているだけなので、他社のCRM専用ツールなどと比べると、機能性やデータ量の面において少し劣ります。
また、Intercom他機能同様、操作やフィルターの指定は全て英語。
加えて、Platforms上でログインされたユーザーまたは会話履歴のあるアクティブユーザーの数が多ければ多いほど、Intercomへの課金額が増えます。ユーザー数や問い合わせ数が極端に多くなってしまうビジネスの場合は、検討が必要です。
ただ、Intercomは年間単位の契約をすると課金額が安くなったり、サポートサイドとの相談次第では課金額の価格交渉などにも応じてくれるので、試す価値はあります!
次回記事に向けて
Intercomをより便利に活用するために、あらゆるデータの見える化がされているのがPlatforms機能です。
次回の記事では、Intercomの3つ目の機能、Messagesについて詳しくご紹介したいと思います。
ご質問などございましたら、いつでもオフィスに遊びにいらしてください。または私宛のメッセンジャーにお気軽にご連絡ください!